武田信玄を知りたいなら最低限読んでおきたい小説

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武田信玄最低限知れる本

あなたはたくさん存在する有名な戦国武将の中で、誰が好きですか?

僕は実は織田信長でも豊臣秀吉でも伊達政宗でもなく、武田信玄か上杉謙信のどちらかです。

すみません、はっきりと甲乙つけられなくて。龍虎相討つといった具合です。

実は昔から上杉謙信が一番好きだったのですが、まさに今回紹介する小説をきっかけに、武田信玄も好きになっちゃったのです。

そんな謙信派だった僕も信玄を好きになっちゃった小説が、新田次郎氏の『武田信玄』です。

なぜか僕は時代小説、歴史小説だけが好きで、一時期ひたすらにその辺りの小説を読み漁ったのですが、武田信玄に関してはダントツでこの小説を推します。

しかし、唯一難点を挙げれば……四巻あります。

超大作です。

著者の新田次郎先生は気象庁に勤務していた方でして、気象に関する描写や地形の描写も細かく、また人物描写も大作故にしっかりしているのでハマればあっという間に読めます。

そして、四巻ありますが、それぞれ副題がついてまして、

風の巻・林の巻・火の巻・山の巻

の四巻。そう、風林火山です。最高かよ。

正直、僕がこの小説を手に取ったきっかけはこの副題がツボ過ぎたからだけでした。

全く予備知識無しで買って、大当たりです。

他に数作品武田信玄の小説は読んでますが、物語と史実と人間描写とエンタメ性とのバランスが一番上手く噛み合っていて、かつ武田信玄について十二分に理解できるのはこの小説だろうと思います。

戦国時代の小説は作家さんも大変だろうといつも思います。

客観的すぎると面白みがなくなったり、創作しすぎるとそれは違うと文句が来たりするわけですから。

それはともかく、今回はざっくりと新田次郎氏の『武田信玄』を副題になぞってどんな内容か簡単にご紹介。

風林火山

本題の前に、武田信玄と言えば――というレベルで知名度の高い「風林火山」という言葉。

実は武田信玄小説でこれまた有名な、井上靖氏の『風林火山』で言われるようになった言葉。

武田信玄が実際に旗指物として使ってはいたものの、風林火山と略された物ではなく、また「風林火山」と略して呼ばれていたような記述も全くないのです。

つまり、現代で井上靖氏が小説のタイトルにしたことで広まった言葉である可能性が高いのです。意外ですね。

では武田信玄の旗指物に書かれていたのはどんな内容かと言うと、

「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」

の文字。読み方は、

はやきこと風の如く、しずかなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し。

元ネタは孫子の兵法の一節です。

実はその兵法の一節には続きがあり、

知りがたきこと陰の如く、動くこと雷ていの如しーー

と続きます。武田信玄がそこを省いて書かせた理由は謎ですが、なんにしろめちゃくちゃかっこいいです。

では本題。『武田信玄』のざっくりの内容です。

風の巻

風の巻では、信玄の父、信虎と幼少期の信玄から始まります。

武田信玄をほぼ知らない方にはもしかしたら信玄パパと信玄の取った行動は衝撃エピソードかもしれません。

また、風の巻では信玄にとってもとても重要な負け戦であった通称「砥石崩れ」についても描かれています。

また、武田氏と言えば真田幸村で有名な真田一族とも繋がりは深く、風の巻にも真田幸隆が出てきます。

真田幸隆は昌幸の父親ですから、幸村のお爺ちゃんにあたりますね。

林の巻

二巻目にして川中島の合戦が最後まで描かれます。

武田信玄と上杉謙信が長年争い続けた因縁の合戦です。

こちらも↓ご参照ください。

もうこの小説の川中島の合戦はめちゃくちゃ興奮します。面白いです。

霧という気象現象が鍵となったり、心理戦がとてつもなかったり、あと忍び大切。

また、同時期には織田信長が桶狭間にて今川義元を討ち取り、時代は超乱世へ。

2巻目にしてもうクライマックス! という内容。

火の巻

戦国時代の出来事で言えば、どうしても信玄や謙信から見た中央情勢というのは疎かにされがちですが、しっかりとわかります。

信玄だって信長の躍進をただただ黙って見ていたわけではありません。

悔しさ、羨ましさ、地理的に不利な自分の不幸などなど。

さらに、今も昔も大切なお金。

金山を巡る信玄の並々ならぬ努力が身を結び始めます。

そして、最愛の息子、義信の謀反の疑いと病死。

幼年からずっと病気がちな信玄の身体をじわじわとむしばみ続ける労咳。

最初の風の巻から一貫して信玄は体調が悪いです。

読んでてモヤモヤした部分でもあるのですが、信玄がもしずっと健康体だったのならもしかしたら戦国時代の勢力図もまた変わっていたのかな、なんて夢想したり。

そして、物語は終盤へ。

山の巻

海をどうしても手に入れたかった信濃の信玄は水軍を手にします。

さらに真田一族も幸隆の息子、昌幸の活躍が目覚ましい。

そして、もしかしたら命は長くはないかも知れないと悟りながらも、最後の大勝負とかねてからの大望であった西上の途へ。

この先は読んで確かめてください。

本能寺の変ぐらい有名な逸話ですが、もし万が一信玄の最期を知らない方がいたら申し訳ないので。

終わり方には賛否あるようですが、ドラマチック過ぎず、ここまで読んできた物語が静かに終わり、現実にスゥーっと戻されるような感覚に僕はなりました。

そして思うわけです。

息子へと受け継がれる武田の意志。よし、勝頼の小説も読もう! と。巧妙ですな。

まとめ

今回は新田次郎氏の『武田信玄』だけを推しました。

時代小説としても最高で、かつ武田信玄が好きになり、武田信玄にも詳しくなる。

さらに多くの優秀な武将に支えられて活躍した信玄ですので、他にも気になって好きになっちゃう武将がきっと出てくるはず。

馬場信春、内藤昌豊、山県昌景、高坂昌信ら武田四天王の活躍ぶりも注目です。

武田信玄を知りたいと思っているのなら、まず読んでみて欲しい小説です。

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