【ゴキブリも?】化ける動物・虫・植物まとめ【狸も狐も鼬も猫も妖怪変化】

この記事は約7分で読めます。
化ける動物

最低最悪の事実をお伝えします。

ゴキブリも人に化けるのです。

ただでさえ最悪なゴキブリさんが(ゴキブリ好きな方申し訳ありません)人に化けるのです。

しかも、気持ち悪いおっさんに!

化ける動物と言えばタヌキやキツネが有名ですが、意外な生物も化けるものなのです。

そしてもしかしたら今日会話していたあの嫌な上司、あの可愛い子、あのイケメンも、何かが化けた姿かも知れないのです。

というわけで今回は、最低限知っておけば見破れて悪さされずに済むかもしれない、化ける動物、植物、虫を一気にご紹介します。

化ける動物

狸(タヌキ)

タヌキ

化ける動物といえば狸!

と答える方も多いことでしょう。

狸が化けるという話はなんと『日本書紀』にまで書いてあるほど古い歴史があり、『平成狸合戦ぽんぽこ』のように近代に入っても化け狸の人気は衰え知らず。

狸が化けるものは様々で、人間を驚かす目的でバケモノに化ける事が特に多いです。

有名な昔話、『文福茶釜』では鉄の茶釜に。

小泉八雲の小説『怪談』の中のエピソード「貉(むじな)」では複数ののっぺらぼうに化けて人を驚かせます。

竜斎閑人正澄画『狂歌百物語』より「のっぺらぼう」
竜斎閑人正澄画『狂歌百物語』より「のっぺらぼう」

※狸は古い時代、狸、ムジナ、マミなどと呼ばれていました。地域ごとにムジナやマミが狸を指している場合もあればアナグマなど狸以外の動物を指している場合もあり、決まった区別はありません。

他にも、ウサギに化けたり大入道に化けたりと、流石のぽんぽこ狸さんは何にでも化けられるのです。

狐(キツネ)

キツネ

狸と並んで古くから化ける動物ツートップに入っているのが狐です。

狐も狸と同様、人に化けるのはもちろんのこと、物にもよく化けます。

ただ、狸が愛嬌のある化け方をするイメージがある一方で狐はセクシーな人型に化ける事で特に有名です。

日本では平安時代に鳥羽上皇に寵愛され、妖力で鳥羽上皇を病気にしてしまい国を操ろうとした美女「玉藻前(たまものまえ)」に化けていた伝説の狐、九尾の狐が有名です。

鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』より「玉藻前」
鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』より「玉藻前」

中国ではやはり同じ九尾の狐が化けたという伝説が残る「妲己(だっき)」が有名です。

また、この九尾の狐の逸話が影響しているのだろうとは思いますが、様々な物語上で狐は美女に化ける事が多いです。

あなたの気になっているあの美女、狐かも知れませんよ?

鼬(イタチ)

イズナ

狸、狐に並んで化ける伝承が多いのが鼬です。

狸と同様に入道などに化けるという伝承がある他にも、鼬と言えば「かまいたち」が有名です。

空気の渦で切り刻む、恐ろしい妖怪です。

鳥山石燕『画図百鬼夜行』(1776年)より「窮奇」
鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「窮奇」

鼬と言っても種類は多く、チョコンと可愛い上の画像はイイズナの一種。

狸も狐も鼬も、それぞれ愛くるしい姿で知られていますが、それら可愛い動物達がこぞって人をおどかし、化けるというのが不思議です。

逆に可愛いからこそ化けるというギャップのある行為と結びつけて面白くしたのかも知れませんね。

猫(ネコ)

ネコ

こちらも可愛いにゃーな猫ちゃん。

この猫も、化け猫という言葉がある程度浸透しているように化けるのは上手です。

主に歳を取った尻尾のわかれた猫、猫又などがよく化けると言われます。

そして猫は人間に化けることが多いのですが、化ける以上にそのままの姿で巨大化して驚かしたり、人の言葉を喋ったり、頭巾をかぶって踊ったりと、割と猫のまんまで怪異を起こします。

歌川国芳画『梅初春五十三駅』より
歌川国芳画『梅初春五十三駅』より

ところで――。

猫は化け猫という言葉もあるぐらいですが、不思議と犬については化けるという話を聞きません。

妖怪で言えば、送り犬(ひたすら後ろを付いてくるこわい犬。というよりオオカミ)、犬神(憑き物。本当にヤバイやつ)、人面犬など、いるにはいるのですが犬自体が化けるといういわゆる「化け犬」はいません。

犬がペットとして定着し過ぎていたから? 謎です。

獺(カワウソ)

カワウソ

みんなのアイドルカワウソきゅん。

僕は池袋のサンシャイン水族館で見て一目ぼれしました。可愛いです。

しかし! 化けるのです。

子供や美女に化けたり、夜道を歩く人々の提灯の明かりを消したり、人間に化けて近寄って来た者を食い殺したりと、なかなか幅広く恐ろしいのが獺なのです。

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「獺」
鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「獺」

こんな怖い絵のカワウソきゅんなんて見たくない。

化ける虫

女郎蜘蛛(ジョロウグモ)

たぶんジョロウグモ

今まで各生物毎に画像をフリー素材から探して貼り付けてきましたので、この女郎蜘蛛でも探したわけですが、ずっと悲鳴を上げながらなんとか探しました。

虫、無理です。

もし画像が女郎蜘蛛じゃなくても許して下さい。

一応特徴も調べて見比べつつ探したので合ってるとは思うのですが、もう悲鳴上げ過ぎました。

――さてこの女郎蜘蛛。

妖怪マニアならきっと「字が違う!」とか言うでしょう。

そう、化ける女郎蜘蛛は、「絡新婦(じょろうぐも)」としても有名です。

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「絡新婦」
鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「絡新婦」

なぜこんな妖艶な当て字でジョロウグモと読むのかと言いますと、↑この絵を描いた鳥山石燕という江戸時代の絵師は、とにかく絵に様々な意味を含ませ、風刺だったり言葉遊びだったりをぶちこみまくっているのです。

この絵の妖怪「絡新婦」も、様々な各地の伝承、さらには元の「女郎蜘蛛」から汲み取った要素を上手く使って謎かけのようなことをしているわけです。

肝心の女郎蜘蛛ですが、なんと美女に化けます。

蜘蛛が美女に化けて男達を糸で絡め取っていく。

なるほどイメージとしてはしっくり来ますね。

どうせ取って食われるなら美女のままでいて下さいお願いします。

ゴキブリ

すみません、これはもう本当に画像無しにします。

僕もですし、あなたもきっと不快でしょう? そうでしょう。

さて人類最大の敵ゴキブリですが、冒頭で書いたようにおっさんに化けます。

そして、チロチロと行灯の油などを舐めていくのです。

鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』より「火間蟲入道」
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』より「火間蟲入道」

女郎蜘蛛で書いたのと同じ作者、鳥山石燕が描いたこのバケモノ。

当時は行灯の油だったでしょうが、現代でも火間蟲入道(ひまむしにゅうどう)は普通に出てますよね。

ゴキブリですら無理なのに、カサカサ動く音がして見てみたら真っ黒なおっさんがチロチロと油舐めてたら、その場で気絶します。

因みにですが僕の妻はゴキブリが世界で一番嫌いなので、家に出るとすぐに出て行ってしまい数時間は帰って来ません。

今まで2回ありました。

もちろん、僕も大嫌いで退治するのもへっぴり腰なので、尚更妻が帰ってくるのに時間がかかるわけです。

化ける植物

柳(ヤナギ)

柳

化けるのは動物や虫だけではありません。

特に化ける話が多いのが、柳の木。

シダレヤナギのように、柳と言えばダラーンと垂れた枝が特徴的。

そしてそれは女性の長い髪の毛も連想することから、女性や老女に化ける逸話が多いです。

竹原春泉斎『絵本百物語』より「柳女」
竹原春泉斎『絵本百物語』より「柳女」

そのだらんと垂れた髪の毛のような枝から、女性の未練、悔しさを連想させるような逸話が多く、↑に貼った『絵本百物語』の柳女も、「女の首にヤナギの枝が巻きついて死んでしまい、女の無念がヤナギの木に留まり夜な夜な現れ「口おしや、恨めしの柳や」と泣く」――と書かれています。

怖くて不気味、それでいて美しい女性。

柳が化ける女性というのはまさにそういった柳のイメージ通りになっています。

芭蕉(バショウ)

バショウ

観賞用が主ですが、海岸沿いや南国のイメージのある芭蕉。

なんとこの芭蕉も化けるのです。

化けた妖怪の名はそのまんま、「芭蕉の精」。

芭蕉精
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』より「芭蕉精」

ただし芭蕉が化けて出たという逸話があるのは主に中国、そして沖縄です。

沖縄に伝わっている怪異としては、女性が夜道を歩いているとイケメンや怪物が現れて目があうと妊娠させられてしまうという。

やだ何それ少子化解決!

と思いきや、そうして妊娠させられた女性が産む子は鬼のような牙の生えた子供になるのだとか。

やだ何それ鬼滅の刃!

まとめ

今回ご紹介した化ける動物・虫・植物以外にも化けることが伝承されているものは多々あります。

道行く人々も化けた姿かも?

というロマン思考もいいのですが、なぜそれら動物などが化けると言われるようになったのか? をマジメに追及していくと民俗学にも踏み込むことになるのでグッと面白くなります。

ただし、面白い反面恐ろしく深い世界なので軽はずみに飛び込んではいけない分野でもあります。

ぜひ、妖怪の正体記事も併せてご覧頂き、超興味ある方は深淵なる民俗学の世界へどうぞ行ってらっしゃいませ。

僕はとりあえずゴキブリだけは化けさせないよう今年も殺虫剤買い込みます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました